この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(自画自賛?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
持ってしまったもの
- 突然目覚めた「超能力」
持っていないもの
- 「超能力」を有効利用する手立て
急にオカルト臭いテーマになってしまったが、安心してください。害はありません。
「もしも超能力を持ったとしたら」という架空の話です。初心者が「超能力」持ってしまったら、どうなるかを、真剣に考えた話です。
[当記事は、前身ブログ「はじめはみんな初心者だ」での記事「初心者が超能力を使えるようになって考えたこと」(公開日:2018/03/21)を、加筆・修正したものです。当ブログでの公開日:2018/09/04]
「超能力者」の独白
ある日、私は超能力に目覚めた。
スプーンを曲げることができるようになったのだ。
求職中の私は、さっそく履歴書の特技欄に「スプーン曲げ」と書き込んだ。
しかし、どの業種に合っているのかがわからず、ハローワークに出向き、相談員に相談した。
相談員は、親身になって応対してくれた。だが、
「いまのところスプーンを曲げられる人を求めている会社はありませんねー」
ということだった。
あきらめきれない私は、関係ありそうな会社に自分から売り込みをかけることにした。
熱心さが評価されるという期待もあった。
まず目につけたのは、スプーンを製造する会社だった。
さっそく、念波を飛ばしてみたが、相手が受け取る能力がないのか、反応がなかった。
しかたなく、ネットで電話番号を調べて、電話を掛けた。
人事担当者につないでもらい、私は誠心誠意をもって、いかに私が御社のお役に立つ人間かを力説した。
相手が「今は募集時期ではないので」と遠回しに断る様子が見て取れたので、切り札である
「私はスプーン曲げができる」
と言ったら、相手に「ウチはプラスチック製のスプーン製造なんだけど」と言われた。
私は、自分が金属のスプーン曲げしか試したことがなかったので、答えに窮し、とっさに、
「プラスチック製のスプーンを曲げることはできませんが割ることはできます」
と答えた。
結果は不採用だった。
リサーチ不足を痛感した私は、今度はちゃんと、金属製のスプーンを作っている会社をネットで調べ、そのスプーンを手に入れて実際に曲がるかどうかを試してから、その会社に直接訪問することにした。
自分の住んでいるところからはかなり離れたところにある会社だったが、テレポーテーションを使えない私は、電車を乗り継いで、その会社まで出向いた。
会社の人は会ってくれて、その人の前で、スプーンを曲げて見せた。だが会社の人は苦い顔をして、「うちの商品をそんな風に扱ってほしくないんだが」とつぶやいた。
風向きが悪くなったと察した私はとっさに、
「いえ、この力は、不良品のスプーンを廃棄するのに役立つと思いまして」
と答えたが、会社の人は苦い顔をしたまま、「そんなに不良品は出ないんだけどね・・・。それに不良が出たとしても、いちいちネジって棄てるわけじゃないんでね。まあ、仮に、ネジるとしても、アナタは1本当たりどのぐらいのスピードでできますか」と言われた。私は、
「集中すれば、1本当たりだいたい30秒ぐらいでできます」
と答えた。会社の人は苦い顔をしたままだった。
結果は不採用だった。
私は、自分の超能力が、就職に役立たないことが分かった。
たとえスプーンを曲げれても、曲がったスプーンを買ってくれる人はどこにもいない。
仮にスプーンを曲げる商売があったとしても、超能力で曲げるより、機械を使って曲げた方がはるかに効率がいい。
超能力が役に立たないことが、身に染みた。
そこでふと思った。テレビやショーで「超能力」を職業にしている人たちのことを。
この人たちは、特殊な能力を持っているのではなくて、それしかできない人なのではないか。
テレビやショーで見かける「超能力者」は、その超能力をもってしても就職できなかった。
あるいは超能力を使って、事業を立ち上げられなかった。
だが、「超能力」を武器にして職業に就く方法はある。それが、
超能力を見世物にすること
だ。
つまり、超能力を利用して業務をこなすのではなく、超能力そのものを見世物にするということだ。
逆に言うと、スプーン曲げという能力は、実生活では、見世物にする以外、何の役にも立たない、ということだ。
それに気づいたとき、私は、「スプーンが曲げられること」を特技欄から消し、真面目に職探しをすることにした。
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