この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(自画自賛?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》
注)当記事は、2023年8月13日終了時点のプロ野球セリーグの結果をもとに、阪神の「優勝マジックの点灯予測」について、説明を試みたものです。限定された状況下での例なので、「優勝マジックのExcel計算」について、一部説明不足や、一般化できない事例が含まれているかもしれませんので、ご了承ください。
プロ野球の優勝マジックは、分かったようでよく分からない点が多い。(個人の感想です)
当ブログでも、何回か説明を試みたものの、一度もうまく伝えられた気はしない。
ところで、最近になって、当ブログ記事”「優勝マジック」を初心者がいかにExcelで計算しているのか(2021年度版)”[2021年9月13日公開]の閲覧数が増えた印象だ。(個人の確認です)
どうやら、ここにきて好調な阪神(と勝ちきれない2位以下のチーム)の様子を見て、阪神の優勝マジックが点灯間近であることを皆さん(特に阪神ファン)が感じているようだ。
だが、上記の当ブログ記事も、約2年前のもので、長々と書いたものの、正直、うまく説明できた手ごたえはない。阪神の優勝マジックの点灯を自力で計算したい人にとっては、期待外れだろう。せっかく見に来てくれたみなさんには申し訳ない。
そこで今回、2023年8月13日終了時点での阪神の成績をもとに、具体的な数字を使って、優勝マジックの点灯する条件やその時の数字などを、説明したい。
[ExcelはMicrosoft社の商品です。当記事では、「Web版Excel」を使用しています(無料版。アカウント登録が必要)。ただ、基本的な表計算ソフトの計算機能しか使っていないつもりですので(というかそれしかできない)、他の一般的な表計算ソフト(マルチプラン、ロータス123、三太郎、spreadsheet、・・・適当に思いついたものを並べただけですので表現に正確さが欠ける場合があります)でも利用可能な内容だと思います。]
プロ野球の試合結果や日程についての情報は
一般社団法人日本野球機構ホームページ、http://npb.jp/
(参照2023-08-14)
[(お断り):当記事は、実験的な面もあり、途中で修正する場合があります。また、個人の趣味レベルのため、計算間違いや、解釈の間違いが起こってしまっていたらゴメンナサイ。]
当ブログでは、「優勝マジック」に関連する用語の内、誤解や混同を生みやすいものについては別の用語で言い換えるようにしています。当ブログ記事内でも、一部、一般的ではない表現を使っている場合があります。[マジック用語に関する整理については当ブログ記事”分かりにくいプロ野球の「優勝マジック」の用語の改善案(2021年度版)”参照]
基本的な定義と必要な数字
「優勝マジック」の数字や点灯・消灯の判断について、前記2021年度版に書いたとおりだが、阪神を中心にして、改めて整理すると、必要となる情報や数字は、
- 現時点での各チームの勝敗(引き分けも含む)
- 各チームの、シーズン全試合予定数(今シーズンは143試合)
- 各チームの、残り試合を全勝した場合の勝率(予想最大勝率)
- 阪神の、残り試合1勝刻みの予想最終勝率表
- 各チームの、阪神との残り直接対戦試合数
となる。(さらに条件によっては、これまでの阪神との直接対戦成績、前年度順位が必要となるケースもある。)
これらをもとに、
- 勝率(予想勝率)
- 阪神の各チームに対する(上位)マジック数
- 各チームの自力優勝ルートの存在と喪失
を、Excelで計算、判定していくことにする。
勝率の計算
シーズンの順位は、(まず第一に)勝率によって決まる。
プロ野球での勝率とは、勝ち負けの内、勝った割合を示すので、
勝率 = (勝利数)/(勝利数+敗北数)
で計算される。
補足)
引き分けの数は、勝率計算に、含めない。
ちなみに、野球では打率計算も、四死球の打席結果は含めていない(打数に含めない)。引き分けや四死球は勝負がついていないものとして、計算(分母にも分子にも)に含めない、という考え方によるものだろう。
Excelで勝率の計算式を作り、各チームの2023年8月13日終了時点での成績を入力すれば、現時点での勝率は出てくる。
この数字は、たいていの新聞のスポーツ欄にも載っている数字なので、自力で出さなくてもいいかもしれない。(ただし、たまたまですが、2023年8月14日はだいたい月1回ある全国紙の朝刊休刊日でしたので、13日終了時点の結果は14日夕刊もしくは翌15日の朝刊での確認になりました)。
予想最大勝率の計算
次に、各チームの、
残り試合を全勝した時の勝率
を計算する。当ブログでは、便宜上、「予想最大勝率」と呼んでいる。この数字は、新聞やサイト等では一般に出てこない。(個人の確認です)
予想最大勝率とは、逆に言えば、各チームにとってはこの勝率が限界であり、一方で、他チームにとってはこの数字を上回ることができれば、そのチームを順位で上回れるということだ。
各チームの残り試合数については、その数字を表示してくれている新聞・サイト等もあるが、残り試合が少なくなってから表示されるケースも多いように思えるので(個人の感想です)、表示されない場合でも把握できるように、自力で計算できるようにしておく。
残り試合数の算出については、各チームのシーズン全試合数が、
143試合
補足)
2023年シーズン1チーム143試合の内訳は、
・リーグ内の対戦:25試合×5チーム=125試合
・交流戦の対戦:3試合×6チーム=18試合
なので、143試合から、これまで行った試合数(勝ち負け引き分けの合計)を引けばよい。
「予想最大勝率」は、「残り試合を全勝した時の勝率」なので、現在の勝数に、残り試合数を勝ち数にすべて加え、その上で勝率計算をすれば出てくる。
予想最大勝率=(勝利数+残り試合数)/(勝利数+残り試合数+敗北数)
であり、残り試合数を勝利数と総試合数に加えることで算出される。(現時点での勝率計算の、分母と分子の両方に残り試合数を加えることに注意。)
残り試合1勝刻みの予想最終勝率表の作成
続いて、自チーム(今回のケースでは阪神)の、
残り試合1勝刻みの予想最終勝率表
を作成する。
阪神の残り試合数は、39試合。[2023年8月13日終了時点]
この39試合での勝敗ケースを(引き分け無しで)1勝刻みでリストを作り、それぞれの最終勝率を計算する。
具体的には、残り39試合を
39勝0敗だった場合の最終勝率
38勝1敗だった場合の最終勝率
37勝2敗だった場合の最終勝率
・・・・・・・・・・・・・
2勝37敗だった場合の最終勝率
1勝38敗だった場合の最終勝率
0勝39敗だった場合の最終勝率
というように計算した表を、1勝刻みで作成する。
補足)
上図では、Excelでの後の作業上、コピーした際に式がズレる場合があるため、参考として、式の一部を絶対参照にする2パターン挙げた。どちらを使っても結果は同じになる。
なお、右側のパターンは、143試合がすべて行われたことを前提としての予想勝敗を元としているため、その場合の勝率計算の分母(勝利数+敗北数)は、(143試合-引き分け数)で計算できる。
式で説明すると、
総試合数143試合=勝利数+敗北数+引き分け数
であるので、この式を変形すれば、
勝利数+敗北数=総試合数143試合-引き分け数
となるため。
補足2)
今回は必要なかったが、1勝刻みの表で勝率の比較数字が足りない場合は、(勝ち数・負け数を)マイナスまで拡張することがある。前記2021年度版での例を参照。
阪神は、残り試合を何勝すれば、各チームの予想最大勝率を超えることができるか
各チームの予想最大勝率は算出済み。その勝率を上回るために、阪神は残り試合を何勝すれば勝率を上回るかは、先に作った1勝刻みの表と照らし合わせることで、確認できる。
ここではまず、2位広島に対し、阪神は何勝すれば広島の予想最大勝率を上回るかを調べてみる。
広島の予想最大勝率(残り試合を全勝した場合の勝率)は、0.6643[小数点以下第5位四捨五入]
これを先ほど作成した1勝刻みの表と見比べると、
阪神残り試合39試合の1勝刻み予想最終勝率(抜粋)
31勝8敗 .6691
30勝9敗 .6619
[小数点以下第5位四捨五入]
であるので、広島の予想最大勝率.6643を、阪神が上回るためには、残り試合で30勝(9敗)ではダメで、31勝(8敗)が必要であることが分かった。
この、広島の予想最大勝率を阪神が上回るのに必要な31という数字を、
上位マジック数
と呼ぶこととし、
阪神の、対広島上位マジック残り31
と表現することにしたい。
同様に、広島以外の各チームの予想最大勝率を、阪神が上回るには何勝すればよいかを調べていき、その数字を上位マジック数で表現すると、
阪神の
対広島上位マジック残り31
対横浜上位マジック残り29
対巨人上位マジック残り28
対ヤクルト上位マジック残り20
対中日上位マジック残り17
となった。[2023年8月13日終了時点]
補足)
今回は各チームの予測最大勝率と、阪神の1勝刻みの最終勝率が一致することがなかったので、数字の大小比較で上位マジック数をそのまま特定できた。仮に勝率が(2チームのみで)一致した場合は、(セリーグでは)勝利数の多い方、勝利数も同じ場合は、直接対戦成績の勝ち越した方が上位になることになっている。その時点でこれらの条件が決まっていない場合もしくは下回ることが確定している場合はそれより一つ上の数字が上位マジック数に、その時点で上位になる条件が確定している場合はその一致した場合の勝利数が上位マジック数になる。
自力優勝の判定方法
続いて、自力優勝ルートが存在するか喪失しているかどうかを判定する。
自力優勝のルートがあるかどうかは、残りの直接対戦数で左右される。
追いかける方からすれば、直接対戦で勝利することで相手の負けを増やすことができ、引きずりおろすことができる。つまり、相手が(他チームに)全勝しようが、こちらが「自力」で(相手チームとの直接対戦を含めて)全勝すれば、優勝できるルートが存在するということだ。
各チームの直接対戦の残り試合数については、調べてすぐに出てくるところは少ないと思われる。一方で、これまでの直接対戦成績は、NPBの公式ホームページに載っているので、全25試合-これまでの直接対戦試合数(勝ち数+負け数+引き分け数)で、残り試合は算出できる。
これらの情報から、
各チームの対阪神の残り直接対戦数は、
広島10試合
横浜8試合
巨人8試合
ヤクルト6試合
中日7試合
となっている。[2023年8月13日終了時点]
2位広島は、首位阪神と直接対戦を10試合残している。
ここで、広島が残り試合を全勝したケースを考えてみる。
広島は阪神との直接対戦を10試合残しているので、広島が残り試合を全勝したという前提条件下では、阪神は10敗することになる。この場合、阪神の予想最大勝率は、その広島戦の10敗以外を全勝することであるので、その条件下での阪神の残り試合の成績は29勝10敗となり、最終勝率は0.6547で、広島の予想最大勝率0.6643を下回る。
つまり、広島は残り試合を全勝した場合は、阪神を上回る。広島には自力優勝ルートが存在している。
(誤解を受けないで欲しいが、当然、阪神にも自力優勝は存在している。)
しかし、3位以下の、横浜、巨人、ヤクルト、中日の4チームに関しては、自力優勝ルートは喪失している。これらの4チームは、それぞれが残り試合を全勝したとしても、阪神がそれ以外のチームに全勝すれば(正確に言うと、先ほど出した上位マジック数の残り数字分の勝利数で)、阪神を下回る。残り試合を全勝したとしても、優勝できないケースが存在する。
(誤解を受けないで欲しいが、自力優勝を喪失したからと言って優勝の可能性が無くなった訳ではない。)
表を見れば分かるように、
「上位マジック数」(阪神が相手チームの予想最大勝率を上回るのに必要な勝ち数)の時の負け数
が
残り直接対戦数
を下回ったときは、相手チームに「自力優勝コース」が存在し、
そうでない場合は、相手チームの「自力優勝コース」は喪失している。
不等号も含めて表すと、
「上位マジック数」の時の負け数 < 残り直接対戦数 ⇒ 「自力優勝コース」が存在
「上位マジック数」の時の負け数 ≧ 残り直接対戦数 ⇒ 「自力優勝コース」は喪失
と判定される。
表現を変えると、相手チームは直接対戦数の分だけ、勝てば阪神の勝率を下げることができるが、その最大まで下げれる分が、阪神の上位マジック数の時の数字に届かなければ自力では上回れず、逆に、上位マジック数の時の数字を超すことができれば自力で上回ることができる。
理屈としてはこのように説明できるが、「残り試合の負け数」についてまで言及すると変数が増えて分かりにくくなる。
そこで、変数を減らし、できるだけ機械的に計算できるように、以下、式を整理していく。
残り試合の勝敗については、
「残り試合の勝ち数」+「残り試合の負け数」=「残り試合数」
であり(引き分け数は考慮しない前提のため)、さらに、ここでは、
「残り試合の勝ち数」=「上位マジック数」
であるため、
「残り試合の負け数」=「残り試合数」-「上位マジック数」
と変形できる。
よって、自力の有無の判定(「残り試合の負け数」と「残りの直接対戦数」の比較)は、
「残り試合数」-「上位マジック数」<残り直接対戦数
であれば、相手チームに自力優勝コースが存在し、
「残り試合数」-「上位マジック数」≧残り直接対戦数
であれば、相手チームの自力優勝コースは喪失している、となる。
さらに式を変形すれば、
「残り試合数」-「上位マジック数」-「残り直接対戦数」<0
「残り試合数」-「上位マジック数」-「残り直接対戦数」≧0
でも判定可能なため、左辺の式を、
「修正マジック数」=「残り試合数」-「上位マジック数」-「残り直接対戦数」
と新たに定義することで、「修正マジック数」を算出し、その数字が、0より小さいか、0以上かで、自力優勝コースが存在しているか喪失しているかを判定することにしたい。
備考)
この不等号については、移項して様々に表現できるので、上記だけが正解とは限りません。私自身も、前回記事2021年度版では違う表現をしていました。
追記)
今回のケースでは「自力優勝」と表現しましたが、「自力上位」と表現する方が正確な場合があります。上位チーム同士の対戦が残っている場合は、個別に上回ることがあっても同時に複数のチームを上回ることができないことが確定している場合もあるため。
今回の阪神の例で言えば、阪神の残り試合数が39で、それぞれの上位マジック数と残り直接対戦数は先に示した通りであるので、
それぞれの修正マジック数と、自力優勝の判定は
対広島:39-31-10=-2<0 ⇒「自力優勝コース」存在
対横浜:39-29-8=2≧0 ⇒「自力優勝コース」喪失
対巨人:39-28-8=3≧0 ⇒「自力優勝コース」喪失
対ヤクルト:39-20-6=13≧0 ⇒「自力優勝コース」喪失
対中日:39-17-7=15≧0 ⇒「自力優勝コース」喪失
となった。[2023年8月13日終了時点での個人的な判定]
優勝マジックの判定
最後に、優勝マジックの点灯の判定をする。
優勝マジックは、自分以外の全チームの自力優勝コースが喪失した時点で点灯する。
今回で言えば、阪神以外で、自力優勝コースが存在しているのは、広島だけである。
したがって、 広島の自力優勝コースが喪失した時点で(他チームの自力優勝復活がなければ)、阪神に優勝マジックが点灯する。
今後の予定で言うと、奇しくも、8/15からは、阪神広島の直接対戦3連戦である。
現在、対広島の修正マジック数は上記で示したように、-2である。0になれば広島の自力優勝コースの喪失になるが、まだ-2あると見えるかもしれない。
たが、修正マジックの式を思い出して欲しい。
「修正マジック数」=「残り試合数」-「上位マジック数」-「残り直接対戦数」
これを見ればわかる通り、直接対戦の場合は、試合を消化した時点で、「残り試合数」と「残り直接対戦数」が共に1減るため、上位マジック数の変化が、そのまま修正マジック数の変化になる。
そしてマジック数は、減ることは有っても増えることはない。
さらにマジックは(多くの場合)、勝てば一つ、対象チームが負ければ一つ、進んでいく。
つまり、阪神は広島三連戦で、対広島修正マジックは広がることなく、広島に1勝さえすれば、広島の修正マジックが2進んで0以上になり、広島の自力優勝ルートが喪失し、阪神に優勝マジックが点灯する。
その一方、3位横浜は、修正マジックが+2であるため、阪神の対横浜上位マジックが変わらないまま、試合数が3つ消化した場合(つまり、横浜は試合があれば勝ち続け、かつ阪神が3連敗した場合)、横浜に自力優勝コースが復活する。
他の全チームの自力優勝コースが喪失した場合は、阪神に優勝マジックが点灯するが、その時の数字は、各チームの上位マジックの内、一番大きな数字のものが、優勝マジックとなり、マジック対象チームもそのチームと表現される。
(対各チームの)上位マジックが、0(以下)になった時点でそのチームの優勝の可能性は消滅。最後に残ったチームの上位マジック、つまり優勝マジックが、0(以下)になった時点で、優勝が決定する。
まとめ
- Excelを使った勝率の計算式
- 各チームの予想最大勝率(残り試合を全勝した場合の勝率)の計算式
- 予想最大勝率を上回るのに必要な勝ち数(⇒上位マジック)
- 残り試合数と上位マジック数と残り直接対決数の関係から、各チームの自力優勝の有無を判定
- 優勝マジックの点灯の判定
以上、駆け足で、2023年8月13日時点の成績を元に阪神の優勝マジック点灯の可能性について、ピンポイントで、説明した。
今回もうまく説明できた気がしない。
「修正マジック」の件も、うまく消化できないまま、だらだらと書いているうちに日付が変わって、次の試合が始まって前提となる数字が変わる前に間に合うように慌てて紹介したよう形になってしまった感じがする。
今回の記事でも優勝マジックについて理解できなかったとしても、あなたのせいではなく、この記事の説明不足のせいだとしてもかまいません。
今回はピンポイントな状況下での具体的な例示しかできなかったが、せっかく表計算ソフトExcelを使っているので、今後は入力と計算のできるだけの自動化を含めて、改良できるように、今後の課題としたい。
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