2019ラグビーWカップ「日本対アイルランド戦」について、「これは奇跡ではなく必然の勝利だ」と初心者のくせにもっともらしく語ってみた話

2019年9月29日、ラグビーワールドカップ予選リーグ、日本対アイルランド戦。

静岡県袋井市エコパスタジアムで行われた試合は、19-12で日本が勝利した。

日本 対 アイルランド マッチセンター

【公式】ラグビーワールドカップ2019日本大会 。https://www.rugbyworldcup.com/match/japan-ireland(参照2019-09-29)

この勝利について、各マスコミは、

「大金星」
「ジャイアントキリング」
「エコパの奇跡」
「世紀の番狂わせ」

などの表現で報道していた。確かに、事前の予想とは異なる、大方の予想を裏切るような、快挙であることには間違いない。

ただし、今回の快挙は、

奇跡でも偶然でもなく、これまでの日本チームの軌跡の先にあった必然である

ことを、ラグビー未経験者の初心者が、(初心者のくせに偉そうに)語ってみたい。

2019年ラグビーワールドカップ日本大会「日本対アイルランド」の内容

試合の位置づけ

  • プールAの予選(各プール5チーム総当たりで勝ち点上位2チームが決勝トーナメントに進出)
  • 両チームとも予選二試合目
  • 両チームとも一試合目で勝ち点5(勝利ポイント4+ボーナスポイント1)(注)
  • 日本は、アイルランドとの国際試合での対戦成績は、過去9戦全敗
  • ラグビーの国際統括団体、ワールドラグビーによる、試合開始前のランキングは、アイルランドが2位で日本が9位(同プールAのスコットランドは8位)
  • アイルランドは、初戦がスコットランド戦で勝利。日本は、スコットランドとは、予選最終四試合目で対戦

[注)ボーナスポイントは、
・1試合のトライ数が4以上の時
・敗北した場合でも7点差以内の時
に、+1が点く。]

WORLD RUGBY、https://www.world.rugby/。(参照2019-09-29)

試合内容

試合のハイライト動画は、ワールドカップの公式ホームページにアップされているので、それを参照して欲しい。

ハイライト: 日本vアイルランド

2019年9月28日。https://www.rugbyworldcup.com/video/487760(参照2019-09-29)

個人的な記憶から箇条書きすると、

前半は、アイルランドがキックパスを活かした二つのトライなどで12点取り、日本は、ペナルティキック3本で9点取る。前半終了時9-12で日本は3点を追う展開。
後半は、日本が中央のラックから左に振り、一人余らせてのトライ5点で逆転。コンバージョンの2点も成功させる。その後、ペナルティで3点追加し、19-12。
終了間際に、アイルランドのパスを日本がカットして、ゴールライン近くまで攻め込むが、最後はアイルランドがボールを確保し、タッチに蹴り出して試合終了。
19-12で日本の勝利。

試合終了後

  • プールAの勝ち点は、二試合終わった日本が9点。アイルランドが6点。ロシアが0点。一試合終わったサモアが5点、スコットランドが0点。
  • 試合終了直後のランキングはアイルランドが4位、日本が8位、スコットランドが9位に。

Men’s Rankings | World Rugby(参照2019-09-29)

https://www.world.rugby/rankings/mru

日本対アイルランド戦の勝利は奇跡だったのか?

スポーツにおける奇跡は、それが行われた場所の名前を冠して、

「○○の奇跡」

と呼ばれることがよくある。

スポーツの奇跡については、当ブログ記事、
サッカーW杯日本対コロンビア戦を「サランスクの奇跡」と呼べるのか
参照

今回の勝利も、一部では、

エコパの奇跡

と呼ばれている記事が目についた。

エコパに関するニュース

https://www.bing.com/news/ で「エコパ」で検索。(参照2019-09-29)

地名であれば今回の件も、「静岡の奇跡」でも「袋井市の奇跡」でもいいような気もするが、カタカナの方が座りがいいのか、スタジアム名の「エコパ」を使用した「奇跡」を好んで用いられているようだ。(個人の感想です)

ただ、日本チームによるアイルランド戦の勝利は、奇跡の名に値するものなのだろうか。

確かに、アイルランドは、日本から見れば、ランキングから見ても、対戦成績から見ても、格上であることには間違いない。ラグビーは番狂わせの起こりにくいゲームである、ともよく言われる。

だが、アイルランド戦を見終わり、その快挙に私も興奮したが、なぜか奇跡だとは思わなかった。

なぜだろうか。改めてそれぞれのポイントを絞って試合前半を振り返って見る。

日本チームは最初のペナルティキックを失敗した。
距離のあるキックであったが、仮に決まっていてかつその得点のおかげで勝っていたら奇跡の価値は上がっていただろうが、そうはならなかった。逆に、この失敗を引きずるかのように後のキックを失敗し続けたのであれば、この失敗が大きな意味を持つものになったかもしれない。実際の試合では、キッカーは失敗を引きずることなく、その後、3本のペナルティキックを前半だけで成功させた。
つまり、キッカーは、奇跡とは無縁の、通常のベストのプレイをした、ということである。

アイルランドは前半で2本のトライでリードした。
この二本のトライは、正確なキックパスが生み出した見事なプレーだった。ただ、そのことは、うまさを感じたがそれほどの脅威には感じなかった。トライを取られているのに脅威を感じないというのはおかしなことかもしれない。だが、私は、前半早々に日本が攻め込んだ時に「十分戦える」とすでに感じていた。(もちろんこれは、過去に日本がワールドカップ最多失点をした試合の記憶があったからこその「それと比べれば」の感想であったからかもしれない)。2本のトライが、正確なキックパスによってのみ生まれたという点は、逆に言うと、力負けはしていない、という確信を前半戦で抱かせるものとなった。
つまり、前半終了時点では、十分戦えるという確信を持つものになっていた。

こういった点を経て、後半に入ると、選手交代もありながら、日本は、スクラムもラインアウトも押し負けることなく、トライで逆転、キックで追加点を取った。

後半終了近くには、アイルランドのパスをカットしてゴール前まで進み、ゴールライン手前で止められるが、マイボールスクラムになる。そのマイボールスクラムでも、落ち着いて時間をかけてやっている様子がうかがえて、浮足立った様子は全く感じられなかった。

その後、アイルランドにボールを奪われるものの、最後はアイルランドがボールをけり出し、試合終了。日本チームはアイルランドに勝利した。

会心の勝利であるが、奇跡などではなく、選手の準備と努力で勝ち取ったものである、と確信させられるものだった。(もちろん、そこに至るまでには、私のような素人では想像すらできない、練習の積み重ねがあったのは間違いないだろうが。)

「奇跡に値しない」ことの意味

以前、「スポーツの奇跡」について、当ブログでは、

「奇跡の勝利」後に敗退したことこそが、その勝利を「奇跡」だと示すことになり、「○○の奇跡」とは、そのあと敗退した事実を伴う現象であり、限界でもある。

サッカーW杯日本対コロンビア戦を「サランスクの奇跡」と呼べるのか(参照2019-09-29)

と指摘した。

前回大会での南アフリカ戦での勝利は、「ブライトンの奇跡」と呼ばれた。しかしそれは、「決勝トーナメントへ進めなかったチーム」が「決勝トーナメントへ進出したチーム」に勝った、という事実を示すものであった。

当ブログ記事「ラグビー未経験者が2015年W杯日本対南ア戦のすごさに感心し、いかに初心者に伝えたか」(参照2019-09-29)

その意味では、今回の勝利を奇跡と呼ぶことは、この勝利を偶然のものとして、日本は決勝に進む実力のないチームである、と言うのに等しい。

今回の勝利は、予選で敗退するチームが格上チームに勝った「奇跡」などではない。

決勝に進むべきチームが難敵を下した会心の「勝利」

なのである。

この意味では、今回の勝利は奇跡などではない。選手・スタッフの周到な準備と努力による必然の勝利だった。

ただ、そこに至るまでに積み上げてきた練習の量は、われわれには想像もつかない、激しいものだったのだろう。我々が知ることができるのは、「日本がアイルランドにラグビーワールドカップで勝った」という事実を選手たちが実現した、ということだけである。

今後の予想について

試合が終わってから、今回の勝利の記事をたくさん見ることができた。その中には、奇跡などではなく「必然である」との声も多くあった。

RWC 2019 ニュース、『”必然の金星”だった日本』、【静岡・9月28日】、RNS kf/hh。

https://www.rugbyworldcup.com/news/488452(参照2019-09-29)

「想定内」、「ゲームプラン通り」といった選手による言葉の通り、選手にとっては、これまで積み上げてきた練習と準備に裏付けられたものだったのだろう。

もちろん、選手自身の言葉である「必然」と、私のような初心者の感想に過ぎない「必然」とでは、言葉の重さが全然違うが、選手やスタッフがそのように述べているのは、感銘を受けた。

アイルランド戦の勝利は奇跡ではなく必然

この言葉の先には、決勝トーナメント進出と優勝を見据えた選手たちの強い意思が伝わってくる。

また、別の面から見て興味深いのは、アイルランドが最後にタッチキックで試合を終了させた件である。私も初めは、この件を理解できなかったが、「ワンプレーで同点を狙うより、このまま7点差で終わらせて確実に勝ち点1を狙った」という解説を聞き、驚かされると同時に、納得させられた。もしこの1点が、アイルランドの決勝進出に結果的に意味を持つものとなったら、チームとしてあの状況であのプレーの決断したことは、アイルランドも、また、決勝トーナメントへ行くのにふさわしいチームと呼べるかもしれない。(また、終了間際に日本にパスカットされゴール直前までに迫られながら、アイルランド選手が追いついてタックルで倒したことも大きな意味を持つものとなる)。

これらのことは、予選が終わってから、その価値が明らかになる。

一初心者として、今後の試合も楽しみだ。

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