「王さまはハダカだ」
子どもの発したこの一言で、世間は一変した。大人たちも次々と同じように「王さまは裸だ」と口にし、さっきまでは堂々としていた王様も恥ずかしそうにパレードを続けざるを得なかった。
このよく知られたおとぎ話は、権力者が取り巻きに囲まれて威張っているさまをからかって、「あの人は裸の王様だ」などと使われる。
主に、「裸の王様」の一般的な教訓として取り上げられるのは、
・子どものように正直に言うことの大切さ
・ミエや世間体を気にしてダマされる偉い人(王様)の滑稽さ
のように、子どもサイドか王様サイドのどちらかから見たものがほとんどだろう。
だが、今回ここで取り上げたいのは、子どもと王様ではなく、
態度を一変させた民衆
である。
ここにこそ、「裸の王様」の真の教訓がある。そのことを説明したい。
童話「はだかの王さま」についての主な参照先は、
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen、大久保ゆう訳、”はだかの王さま The Emperor’s New Suit”、1999年12月24日初訳、2007年5月19日作成。http://www.alz.jp/221b/aozora/the_emperors_new_suit.html(参照2019-06-10)
“「裸の王様」の本当の教訓はどこにあるのか?” の続きを読む