「対案を出せ」という「火事の野次馬」以下の思い付き

「文句があるなら対案を出せ」
「批判ばかりでなく対案を示せ」

一見すると、もっともらしいことを言っているが、安易に「対案を出せ」との主張をする人物は、

火事場で見物しているだけの野次馬以下

の存在で、問題解決(火を消す)には害悪でしかない。この現象を、火事場にたとえることで、説明する。

「対案を出せ」という質の悪い「野次馬」たち

人は、何かを指摘されると、反応する。指摘されたことを、素直に受け入れることもあれば、反発することもある。

指摘されたことが「正しい」と納得すれば受け入れるし、「違う」と思えば間違っている理由を相手に説明する。論理的な人間であれば、そうする。

ところが、問題を指摘されて反射的に、

「対案を出せ」

と言い返すのは、ほとんどの場合、指摘されたことが正しいかどうかを検討する過程をすっ飛ばしている。その指摘されたことが「正しい」か「違う」かどうかの判断をせずに、反射的に「対案を出せ」と口に出していることが多い。

「対案を出せ」という言葉は、便利な側面もあって、その指摘した相手を一瞬たじろかせる効果もある。善意ある指摘者は、相手のために解決策を考えようとするからだ。その結果、その瞬間だけは、指摘者を黙らすことができる。

だが、最終的な解決をするのは指摘者ではない。当事者が解決することだ。当たり前のことだが、指摘者を一瞬黙らせたからと言って、その指摘した内容が消えてなくなるわけではない。

その意味では、よく言われる「野党は対案を出せ」という主張が、おかしなことは分かるだろう。行政の責任を一義的に負っているのは、与党であり、野党が対案を出そうが出すまいが、解決するのは(責任)与党だからである。

「対案を出せ」と言い返す前に、指摘が正しいのか間違っているのかを示すのが当然である。逆に言えば、その判断ができないからこそ(多くの場合は図星だからこそ)、「対案を示せ」と言ってその場しのぎをしている。無責任であり、当事者としての自覚のない「野次馬」でしかない。

火事場で「対案を出せ」というズレた「野次馬」

問題を指摘することとそれに対して「対案を出せ」というやり取りを、分かりやすくするために、火事場で例えると、

火事だー!(みんなに知らせなきゃ!)[問題指摘]

火事だと叫ぶ前に火を消す対案を示せ
[消火活動の邪魔をする野次馬]

となる。

「火事だ!」と叫んでいる人に対して取るべき対応は、「何?本当?」「どこ?」「とにかく通報」「我々だけで消せる?無理なら人を呼んだ方が早い」「手伝った方がいい?非難した方がいい?」「他の人にも知らせなきゃ」、と様々なことが様々なケースに応じて考えられる。

ただ、様々なケースがあるにしても、「火事だ!」と叫んでいる人に対して、「火事を消す対案を示せ」ということが、いかにズレているかは明らかだろう。

確かに、特定の状況下であれば、このツッコミ(対案を出せ)も成り立つ。例えば、発見者が消防隊員で消火できる装備をしているのに「火事だ」と叫ぶだけで消火活動をしない場合だ。それこそ、「火事だと叫ぶ前に火を消せ」だ。

だがそうでない場合。個人で手に負える火の勢いではなくなっていて、一刻も早く、助けを呼ばなければならない場合。

通報者には、通報者の役割がある。

まず広く通知すること。一刻も早く広く通知することで、より効果的な消火活動へと導くことができる。

そんな場合で、「火事だー!」と叫んでいる人に対し、「叫んでないで火を消す対案を出せ」と言っても、「対案」など考えている内に、火は燃え広がっていく。

「対案を出せ」というのは、傍観しているだけの火事の野次馬どころか、消火活動の邪魔になる存在であり、迷惑でしかない。

「対案を出せ」というオマエこそ「対案を出せ」

「対案を出せ」というのは、

問題を指摘した人を一瞬黙らせるためのもの

として有効だ。しかしそれは、問題解決の役に立たないどころか、有害でさえある。結局のところ、問題から目をそらし、問題を指摘する人を黙らせようとしているだけだからだ。

「対案を出せ」という人に対しては、言葉は少し悪くなるが、

「ウルせー!それどころじゃねー!早くどうにかしろ!」
「オマエが案を出せないからこうなっている」
「対案もクソも、まずオマエの案が無ければ出しようがないだろ」
「オマエこそ対案を出せ」
「オマエが案を出せない無能なら、オレが案を考えるから、その間、オマエがオレの代わりに周りに問題点を触れ回っておけ」

と言い返した方がいい。分かっていない人には、ツッコミが必要だ。

もう少し上品にいきたいのなら、

「では、その前に、アナタが案を出してください」

のように、「では将軍さま、屏風からトラを出してください」的なトンチで返す方法もある。

また、先に火事で例えたように、

「あなたは、『火事だー』と叫んでいる人に、『対案は?』と聞くのですか?」

と言うのもいいだろう。

「対案を出せ」という火事の野次馬以下の火事場泥棒に対しては、その悪質さを分からせるためにも、遠慮する必要はない。本人こそが「対案」を望んでいるのだから。

まとめ

  • 「対案を出せ」というもっともらしい反論は何の解決にもならないどころか有害
  • 「対案を出せ」と言うのは、指摘者を一瞬黙らせるのに有効だが何の解決にもならない
  • 火事で例えると、「火事だー」と叫んでいる人に「対案は?」と聞いて邪魔しているようなもの
  • 「対案を出せ」というオマエこそ先に案を出せ

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