同点で1点取られればサヨナラのケースで、無死二塁となったとき、守備側はどうすべきか?

ずいぶん限定されたケースではあるが、このタイトル通りの状況が、2019年8月13日の、プロ野球巨人―広島戦で起こった。

同点のまま、11回裏、広島の攻撃、先頭の鈴木選手が二塁打を放ち、無死二塁となった。いわゆるサヨナラのランナーだ。

この後、守備側の巨人が実際に取った選択と実際の結果を振り返りながら、このケースでの最善手について、初心者なりの考察をしたい。

(参照)
J SPORTS、”J SPORTS STADIUM2019広島 vs. 巨人(08/13)”、2019年8月13日午後5:45~(生放送)。

広島東洋カープ公式サイト、「今日の試合」「>>詳しい試合内容はこちら」。(参照2019-08-13。当日の内容のリンク切れ確認2019-08-14。)。

Yahoo Japan、Sportsnavi、”プロ野球-2019年8月13日 広島vs.巨人-スポーツナビ”。(参照2019-08-14)。

1.実際の試合経過

上記に示した通り、同点のまま11回裏、無死二塁となった。

その後の試合経過は、

続くバッターは、途中出場の野間選手。

1.巨人側の選択は、「勝負」。広島側の選択は、「送りバント」。

結果は、送りバント成功で、一死三塁に。

続くバッターは、メヒア選手。

2.巨人側の選択は、「申告敬遠」。一死一・三塁に。

続くバッターは、會澤選手。

3.巨人側の選択は、「申告敬遠」。一死満塁に。

その後は、広島は次のバッター今村選手(投手)に代えて代打磯村選手、巨人は複数の選手の守備変更を含めて、ピッチャーを鍵谷投手に交代した。

そして結果は、磯村選手がレフトへ犠飛を打ち、三塁ランナーがタッチアップで生還して、広島がサヨナラ勝ちした。

延長11回裏、2-1の熱戦だった。

(参考)11回裏開始時の広島の打順と攻防の結果

打順 選手 巨人の選択 広島の選択 打撃結果 直後の状況
4番 鈴木 勝負 勝負 二塁打  無死二塁
5番 野間 勝負 犠牲バンド 犠打 一死三塁
6番 メヒア 申告敬遠 敬遠 一死一・三塁
7番 會澤 申告敬遠 敬遠 一死満塁
8番 今村 投手を鍵谷に交代して勝負 代打磯村で勝負 犠牲フライ サヨナラで試合終了
9番 三好
備考 11回開始時の控え選手 投手:鍵谷・田口・宮國 野手:磯村・田中    

[敬称略]

2.結果論ですが・・・

これから述べるのは、サヨナラで勝負がついたことを知っている「結果論」でしかない。私も、すぐに気づいたわけではなく、中継も見ながら、他の選択肢が無いかいろいろと想定し始めたので、後付けの解釈に過ぎない。

私が後から振り返って引っかかったのは、無死二塁から犠牲バンドを簡単に決めさせた、巨人側の采配だ。

結論から言うと、

まず、野間選手を「申告敬遠」して無死一・二塁とすべきではなかったのか。

そして、次にメヒア選手との勝負に臨み、広島側に「勝負」・「犠牲バンド」・「代打を出しての犠牲バンド」等の難しい選択肢を選ばせるべきではなかったのか。

サヨナラの場面で無死一・二塁であれば、犠牲バンドがセオリーだろう。だが、無死一・二塁からの犠牲バンドは、三塁がフォースプレイになるため、難易度が上がる。そこに、バンドの成功率が高いとは思えない選手。一挙に勝負に行くのか、(一抹の不安があるが)セオリー通りに送りバンドのサインを出すのか、それともいっそのこと送りバンドの成功確率のより高い代打を出すのか。

こういった悩ましい選択を、広島にさせるべきではなかったか。

巨人側とすれば、打者の野間選手と次打者のメヒア選手の打力を天秤にかけて、野間選手との勝負に挑んだのかもしれないが、むしろ、両選手の「バンド力」を天秤にかけるべきではなかっただろうか。つまり、「バンド」で勝負するのであれば、野間選手ではなくメヒア選手と勝負をするべきだった。

もちろん、巨人側が、広島の残りの控え選手、打順を考慮した上で、メヒア選手と會澤選手と勝負を避けるために、あえてその前の打者にバンドさせて一・二塁を空けて申告敬遠した、との解釈も可能だ。それはそれで、一つの戦略だったかもしれない。ただ、結果として出たのはサヨナラ負けだ。

だからといって、現実と異なる選択をしたとしても、結果が変わったかどうかは分からない。結果的に、同じ一死満塁になったかもしれないし、その前に決着がついたかもしれないし、逆に抑えて次の回へと延長が続いたかもしれない。その正解は、神のみぞ知る、だ。

はじめに述べたように、これは結果論に過ぎない。だが、(いつ起こるかわからない)次の同じような機会の時の、参考にはなるだろう。

3.実際にその場面になったときどうするのか

今回は実際にあったケースで、登場人物がよく知られたプロ選手であったため、具体的な想定がしやすかった。

だが一般的なケースとしては、

サヨナラの場面で無死二塁になったとき、次の打者を申告敬遠して無死一・二塁から勝負するのがセオリー

とするべきではないだろうか。

もちろん、実際には、それぞれの選手の実力で状況がひっくり返ることはあり得るので、一概には言えない。例えば、打者の巡りあわせによっては、そのまま勝負したほうがいいかもしれないし、逆に勝負を避けて無死満塁にした方が残りの打者との関係から抑えられる可能性が高まることもありうる。また、投手の制球に不安がある場合は、下手にランナーを貯めるよりはそのまま勝負したほうがいい場合もあり得る。

その時の状況に左右されるだろう。

だが、そういった個々の選手の実力差を横に置いて考えれば、

・無死二塁からより、無死一・二塁からの犠牲バンドの方が難易度が高い

ことからして、サヨナラ場面の無死二塁からは申告敬遠をセオリーとするべきだろう。

もちろん、無死一・二塁としたことで、攻撃側が犠牲バンドをせずに強攻策に出ることもあり得る。その際、守備側が注意すべきなのは、まず、三塁フォースアウトを優先するか、一塁走者と打者走者のダブルプレーを狙うかどうかだ。1点取られれば試合終了で負けなので、基本的には、三塁フォースアウトを狙うべきだろう。内野陣は「ホームでアウトにするための前進守備」の練習をすることは多いだろうが、「三塁でアウトにするためのシフト」を考慮に入れて練習することは少ないと思われるので、こういった場面でこそ、事前の準備が問われることになる。

(この場合でも、次打者などとの関係で、一塁走者と打者走者のダブルプレーを優先したほうがいいケースはあり得る。二死三塁にした場合、申告敬遠も含めれば続く打者3人のうち勝負する打者を一人に絞れるからだ。これも状況次第だ。)

以上より、当ブログでの個人的考察の結果は、

同点でサヨナラの場面、無死二塁になったときは、守備側はまず申告敬遠して無死一・二塁にするのがセオリー

というのが基本的な立場であるが、(なんやかんや言って、)

状況次第

という、(どっちつかずな)結論だ。

まとめ

  • 2019/08/13の巨人広島戦でのサヨナラの場面、無死二塁での守備側の選択について
  • この場面では申告敬遠で無死一・二塁にすべきだったのでは
  • 状況次第な面もあるが、打者との勝負を考慮するには「打力」より「バンド力」を天秤にかけるべき
  • サヨナラ場面での無死一・二塁は、守備側の準備が問われる
  • でもやっぱり状況次第

[追記:興味深いことに、上記の件の二日後の2019/08/15の楽天対ソフトバンク戦でも、同様の状況が繰り返され、ソフトバンクは先頭打者に二塁打を打たれた後、犠牲バンドを決められ、最終的に点を取られてサヨナラ負けをしている。この結果からも、上記に示したセオリーの方に分があると言っていいのではないか。]


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