携帯電話に知らない番号で「○○保険の××です」と録音されていて初心者はどう対応したか

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この記事のこの場所に「この記事には広告が含まれます」という一文が目立つように書いてあります(自画自賛?)
《以上広告アナウンスでした。以下本文》

持っているもの

  • 知らない番号からの電話には基本的には出ない警戒心
  • 知らない人から留守電にメッセージを入れられた経験
  • 単なる間違い電話だったら、「また繰り返し電話されるかも」という迷惑さと、「間違っていることを教えてあげた方がいいのかな」と思う少しの親切心
  • でもそれに付け込んで電話させようとする(高度な)詐欺の可能性がありうるので、やっぱりこちらからは電話しない方がいいと思う警戒心
  • でもでも実際にどうなのかを知ってみたいと思う「いっちょかみ」な下心

持っていないもの

  • 知らない番号からの電話には絶対に対応しないという潔癖な決心

先日、昔からお世話になっている人とたまたま出会って雑談をしていると、思い出したように、次のように言われた。

「昨日、ケータイに知らない電話番号からかかってきて無視してたけど、また今朝もかかってきた。留守番電話に録音入っていたけど、心当たり無いから無視したほうがいいよね」

私も、「詐欺かもしれないので、基本的には無視した方がいいですね」と答えながらも、留守番電話に残されたメッセージを聞かしてもらうと、迷いが生じてきた。

その留守録に残されたメッセージに対し、警戒心と少しの親切心をもって、恩着せがましく初心者がどのように対処したかを、再現したい。

[本文の再現内容は、伝聞やだいたいの記憶によるものがあり、また、人物名や企業名等に配慮して、表現の一部を脚色・変更しています。]

1.留守番電話に残されたメッセージ

(以下、当人による証言からの再現)

「お世話になります、○○保険××支店の◇◇です」

心当たりのない番号(050で始まるおそらく携帯番号)からかけられた電話に出ないでいると、留守番電話サービスにつながりメッセージが吹き込まれていた。
(○○や××等の表記は、もちろん、仮名。以下同様。「○○保険」は、合併を繰り返した名残が見える長ったらしい聞いたことがあるようないかにもな会社名だった[個人的な感想]。)

「△△様との事故の件で(云々うんぬん・・・中略・・・)、こちらまで連絡お願いいたします。電話番号は042(仮・・・以下数字省略)。失礼します。」

全く心当たりが無かった。

言われた会社名だが、そこの会社と保険契約をした覚えはない。名乗った担当者の名前も知らない。支店の名称も聞いたことがなく、土地勘もピンとこない。
そもそも事故も起こしていないし、そこに出て来た名前の人とも全く心当たりが無い。

間違い電話だと思ったが、間違い電話と思わせて折り返しの電話させる手の込んだ詐欺の可能性もあるので、とりあえずは放置することにした。

2.翌朝2回目の留守番電話メッセージ

次の日の朝、午前9時頃を過ぎたころに、電話がかかってきた。心当たりのない番号だったのでいつものように無視していると、数回の呼び出し音の後、留守番電話サービスにつながり、メッセージが吹き込まれていた。

内容は、昨日吹き込まれていたこととほぼ同じだった。

だが、私には関係のない話で、折り返しの電話をさせる新手の詐欺の可能性があるため、今回も放置することにした。

だた、今回の口調や言っている内容も、特に催促するものでもなかったが、昨日の今日の朝の話なので、「ひょっとしたら急ぎの要件なのかな(私には関係ないけど)」と漠然と思った。また、「本当に間違えているかも」、「番号の間違い電話に気づかなければ、気づくまで延々と留守電にふきこめれられるのかな」とも思って、モヤモヤした気分が残った。

(以上、当人による証言からの再現でした)

3.とりあえず相談

そんな話を、当人から聞くことができた。相談というほど困っているものではなく、雑談程度の感じだった。

心当たりのない番号から無関係の留守電メッセージが残されている、と言われたときは、

「基本的には、下手に手を出したりせず、応対しないのが無難」

との感想を述べた。

内容が本人には無関係で、お金を要求されたり脅迫されたり商品を売りつけられているわけでもなく、まだ2回程度しかかかっていないので、警察や消費者センター等に相談するほどではない、と思ったし、本人も、今の時点でそこまでしようとも思ってもいないようだった。

ただ、履歴に残った電話番号と、残された留守番メッセージの内容を聞くと、

「間違い電話の可能性が高そうですね」
「これだけ名のっているのなら、ちょっと調べてみましょうか」
「念のために、こちらの番号が伝わらない方法で調べてみましょう」

ということになり、「この電話で折り返すことは避ける」条件で、調べてみることにした。

4.ネットで検索

まず名乗っていた保険会社名を検索してみた。

聞き覚えがある会社名だが、実際にあるかどうかは確証がなかった。検索すると、検索候補の一番にその会社名の公式ホームページらしきところがヒットした。念のため、2番目以降の検索結果を見ていくが、疑わしかったり紛らわしかったりするような候補は出てきていなかった。公式ホームページらしきページのURLを見ても、不自然な文字列や、見たことのないドメインでもなかったので、公式ホームページである可能性は高いと判断した。

その上で、そのページを開いてみた。

見たところ、不自然な点(雑なデザインや画像・変な日本語・サイトマップが整っていないなど)は感じず、公式ホームページであると信じるに値する内容だった。
とりあえずそのページから、留守電に吹き込まれていた支店名が存在するかどうかを探してみたが、支店名を網羅しているようなページはすぐには見つけにくかった。サイト内検索で支店名を検索してもよかったのだが、ホームページには、その会社への質問等を受け付けるフリーダイヤルが載っていたので、

受付のフリーダイヤルに電話するのが手っ取り早い

と思い、当人の代わりに私がそこに確認してみることにした。

5.会社のフリーダイヤルに電話

会社名を名乗っているので、そこの会社に確認の電話をするのは何らおかしくない。

間違い電話だったのなら、こちらからそれを伝えるのは、親切心からである。
仮に、詐欺であったとしても、会社も被害者であるので、それを教えてあげるのは、親切心からである。

どちらにしても親切心からであるので、フリーダイヤルで電話をかけるのに遠慮は無用だ、と思い、電話することにした。念のため、メッセージが吹き込まれた携帯電話からではなく、私の電話からかけることにした。

ただ、この手のフリーダイヤルでの受付は、自動音声案内で「録音しますよー」(意訳)とジャブをかました後、「○○は1、××は2、それ以外は0を、もう一度聞き直す時は♯を押してください」(曖昧な記憶による復元イメージ)といった質問が繰り返される。当たり前だと言えば当たり前だが、今回の要件である、

「留守電に弊社の会社名を名乗る人物から心当たりのないメッセージが入っていた人は」

に当てはまるような項目は出てこなかったので、「その他」を押し続けていくと、最終的に、自動音声ではないオペレーターらしき人に、ようやくつながった。

6.オペレーターさんとの応答

まず、オペレーターさんが、挨拶と共に、名乗られた。

こちらも名乗るのが筋ではあるが、手の込んだ詐欺である可能性はまだ残っているので、警戒心から名乗るのは止めておいた。

「すいません。こちらでお聞きしていいのか、わかりませんが、」

と前置きをした後、

「あのー、私の留守番電話にですね、貴社のお名前の、○○保険と名乗る方のメッセージが吹き込まれまして、全く心当たりが無いので、間違えてかけられているかと思いまして」

「申し訳ございません」

「いえいえ、電話番号とお名前を告げられているので、直接こちらからその電話番号に折り返ししてもいいんですが、詐欺の可能性もあると思いまして、念のために、とりあえずこちらの案内に電話させてもらいました」

「ありがとうございます。お手数おかけして申し訳ございません」

「いえいえ、それでですね、留守電に告げられた、電話番号の××―××××が、○○保険さんの電話番号なのか、それと、『××支店の◇◇さん』が存在するのか教えていただけないかと思いまして」

「お調べいたしますので、このままお待ちいただけますか」

こちらは時間的な余裕もあり、フリーダイヤルでもあったので、どうぞどうぞ、という感じで待つことにした。

すると後ろで音楽が流れて出し、その聞いたことがあるようなないようなオルゴール調の曲の音楽がリピートされないうちに、

「もしもし、お待たせして申し訳ございません」

とオペレーターさんが戻ってきた。

「調べましたところ、その電話番号は弊社の支店のもので間違いなく、「◇◇」も支店におります」

という答えだった。1分もしないうちに支店の社員の存否を含めての答えが返ってきたので、早いな、と感心した。

すると、再び「申し訳ございません」と謝られた後、

「こちらから「◇◇」へ連絡いたしますので、お客様のお電話番号を教えていただけますでしょうか?」

この質問には、一瞬戸惑った。というのも、これまでは、「こちらの電話番号を伝えない」ことが、詐欺を防ぐ前提だったからだ。だが、こちらの電話番号を伝えない限り、相手もどの番号が間違えているかわからないことも、当然に思えた。

不審な点のないホームページに載っているフリーダイヤルの電話、これまでの応対、このあとこちらから再び支店の人に連絡する手間、等を考えたとき、このまま、オペレーターさんにお願いするのが一番いい、と結論を下した。

ただ、少しネックになったのが、かかってきた本人ではなく、代わりに私が電話をしていたことだ。ややこしくなると思って、それまで伏せておいたが、ここにきて隠しておくのもおかしくなるので、正直に、代理で電話をかけていたことを告げた。

「すいません、実は、かかってきた本人ではなく、代理でかけさせてもらっていて、詐欺の可能性もあると思って代理で」

と言い訳するように断った後、

「間違ってかかってきた、こちらの電話の番号は、×××―×××―××××です。」

と告げた。そして、間違えたことのおわび等で、再び電話をかけられても困るだけなので、追加で、

「あの、おわびの電話等は一切不要ですので。かけられても出ませんし。これまでに吹き込まれたメッセージも消去して公表しませんから」

と告げると、オペレーターさんは「申し訳ございません」「ありがとうございます」等の言葉を重ね、応答は終了した。

7.その後のことと、得た教訓

オペレーターさんとのやり取りが終わり、その内容を本人に伝えると、「よかった。ありがとう」と感謝された。その場で、録音メッセージも消去してくれた。

後日聞いたら、あれ以降は行き違いもなく、そこの会社から電話はかかってきていないとのことだった。

「よかった」と思うと同時に、間違えてかけた人は、その後、正しい番号が分かったのだろうか、などと少し心配した。

伝えた人がはじめから間違えていたのか、それとも教えてもらった番号を入力するときに間違えて登録したのか、それとも掛け間違えたのか。

いろいろ想像できるが、その答えを知ろうとするのは野次馬根性でしかなく、連絡がないことを良しとするべきだろう。

今回は、初めての経験をさせていただけたように思う。

これで思い起こされたのは、「ワン切り」による詐欺だ。かつて、「ワン切り」で折り返し電話させる詐欺的手法が頻繁にあったが、それを今回のように発展させた形の、

「わざと間違った録音メッセージを残して、相手の親切心に付け込んで電話させる」ような詐欺(サギ)的手法

もあり得ると、想像させられた。

今回は、たまたま、相手が間違い電話で、折り返さずにそれを知るすべがあったが故に、間違い電話と確認できて、相手にも間接的に知らせることができた。

だが、折り返し以外に確認を取る方法がないときは、

基本的には、(心を鬼にして)無視する

のが一番正しいように思える。その上で、どうしても気になって仕方がないときは、誰かに相談し、別の電話からその番号にかけてみて確認してみるしかないだろう。

これが、今回個人的に得た、心当たりのないメッセージを留守録に残されたときの対処法としての、現時点での教訓である。

[以上は、個人のたまたまの経験による教訓であり、すべての人に推奨するものではありません。]

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